保育の仕事は辛いことだらけなのに、辛さだけが日々溜まっていませんか?
ここでは、保育園での辛さの軽減と、転職しても同じ生活の繰り返しにならないようにする方法をお話します。
その場の辛さからただ逃げようとして、漠然と転職するのではなく、次の自分を考えて転職することで、転職の成功を掴めます。
1.最大の辛さの原因を確認する
働いていく中で、全てのストレスを排除することは難しく、常に何かのストレスに晒されながら働いていかなければなりません。
保育士は、昔は「子供と遊んでいるだけ」などと根拠もなく嫌味を言われていましたが、今や3Kの代表とも言われ、辛い仕事として認知されています。
保育士の仕事はどこでも辛いですが、やはり保育園や保育士によって、何が辛いかは差が出てきます。
例えば、「給料が安くてやってられないものの、寿退社を目指しているので、出世はしなくてもいい。」と思っている場合などは、ストレス原因に立ち向かわず逃げるのも一つの手です。
ここでは、辛さの最大の原因が分かったら、その辛さの原因を無くすためにどうするかを説明していきます。まずは、「色々と辛いことが多いけど、何が自分にとって一番辛いのか?」確認して、自覚することが大切です。
まず、辛さの原因を4種類書きますので、何が一番辛いかを自分の中で再確認して下さい。
1-1.人間関係
唯一、保育士自身で対策や対応ができるものですが、最大の難関でもあります。
クラス配置が決まると、最低でも1年間は同じ人たちと組むのが一般的です。つまり年度初めに、相手に取り入る・取り込むことが出来るかどうかが重要です。
しかし、中にはどうしても相性の合わない人もいますし、上司(主任・園長)がパワハラ人間な場合もあります。もう何をやっても無理な、手に負えない怪物みないな人もいます。
これらのどれかに当たってしまうと、相当な勇気を持ってその人達と分かり合おうとしなければなりません。
「そろそろ転職しょうかな…」とか思っていて、転職へ気持ちが傾いているのなら、その人達に向かい合い、分かり合う必要はないでしょう。
もし、分かり合うことに一度挑戦してみたかったり、転職をまだ先延ばしする可能性がある場合は、以下の記事を読んで対策を考えてみて下さい。
1-2.拘束時間
1日の拘束時間が長いことも問題ですが、もし土曜出勤しても振替で休日が無い場合、つまり完全週休2日制ではないなら、ストレスの発散が非常に滞っており、辛い原因として考えられます。
もし出世(キャリアアップ)を求めていなくても、スキルアップは検討していると思います。しかし、拘束時間が長く完全週休2日制でもない辛い日々を送っていると、体力の回復だけで休日を使ってしまい、何かの研修に行こうとか、何かを勉強しようという気もおきません。
土曜日に仕事があるということは、金曜日の夜にハメを外して遊べない訳です。金曜の夜の楽しみを我慢しているのに、振替休日が無いとなると…ストレス!
更に、有給休暇を使いづらい様な環境であれば、尚更ストレスです。
このストレスは一時的なものではないので、拘束時間が長いことや休みが少ないことで、ストレスを発散する機会も減っているので、要注意です。
拘束時間が長いことが最大の辛さの原因であれば、その保育園では改善が難しくなります。しかし、拘束時間が長い保育園は多く、拘束時間が短い保育園を探すのは一苦労です。
まだまだ様々な業界・業種で完全週休2日制を導入しきれていない保育園や企業は沢山ありますが、しっかり導入できているところもあります。
常に受けるストレスは、常に発散しなければなりません。
1-3.仕事量
拘束時間が尋常じゃなく長い訳でもないし、週休2日なんだけど、仕事量が多すぎて1日の密度が高すぎて毎日極限まで疲れてしまう…という辛さもあります。
保育士は、オールマイティーでなければならず、ここで書けばキリが無いほどのスキルを要求されます。かといって、広く浅くという訳にもいきません。
行事の時だけ爆発的に仕事量が増えるのは、ある意味仕方のないことですが、例えば「何でもかんでも手作りさせられるせいで仕事量があまりにも増えている」なら、園長の運営スキルが低いと言わざるを得ません。
行事の際に忙しくなっても、保育に支障が無いように人員を管理するのが園長の仕事です。何でもかんでも、気合で乗り切る作戦ばかりでは、保育士は力尽きてしまいます。
また、他の保育士さんが急に辞めて一時的に仕事量が増えることも仕方ありませんが、保育士はやはり年度替わりに辞める人が多く、年度途中の補充が難しいことが多いです。
年度途中に補充ができないのもまだ仕方ありませんが、そこで保育補助やパートすら入れず単に気合で乗り切る作戦の場合も、問題です。
ちなみに、残業しても終わるはずもないような量の仕事を与えるのは、パワハラに当たる可能性があります。
1.4.仕事内容
仕事の量ではなく、内容が辛いということもあります。
例えば、「自分はそれなりに経験を積んできているのに、重要な仕事をさせてもらえない。」
または逆で「まだそんなに自信がないのに、丸投げでやらされる」などです。
ちなみにですが、上司(園長・主任・先輩)が、能力に見合わない仕事を延々と与えるもしくは仕事を全く与えないという場合もパワハラになる可能性があります。
能力に見合わない仕事を延々と与えるというのは、掃除ばかりさせられたり、雑用専門の人みたいに扱われることです。
もし、保育園側や上司に悪気がなく、単に人の配置的にあなたに仕事を回せない場合や、単にアナタのヤル気もしくは辛さに気づいていない可能性もあります。
2.最大の辛さの原因を無くす
さて、4つの辛さの原因を確認してみて、何がアナタを最も苦しめているか再確認できたでしょうか?
もちろん、複数当てはまっているでしょうが、その中でも最も辛いことを自分で認識し、それをまず回避する方向で転職を検討しましょう。
それでは、最大の辛さの原因を無くすための転職を考えていきましょう。
2-1保育士そのものを辞める
人間関係については、保育士でなくてもついて回る問題ですが、保育園によっては合わない人と二人きりで1年間同じ部屋という状況も有ります。
そういう環境にならない仕事はたくさんありますし、仕事内容にしても保育士そのものを辞めれば全く違うものになります。
しかし、保育士は国家資格であり、国家資格は配置基準が定められることなどで、国から守られます。
保育士の資格を使わない業種に転職することは、保育士にとって最大のメリットを活かせず、また保育士であることがデメリットになる可能性があります。
保育士なので、「事務スキル・営業スキルが無いだろうな」「ビジネスマナーを知らなそうだな」と勝手に思われてしまうのです。
なので、全くの別業種に転職するとしても、保育士資格を活かせる会社に転職するのがいいでしょう。
例えば、保育士や保育園相手のビジネスをやっている会社です。私のような保育士への記事を作成する仕事や、保育関係のアプリの制作会社、保育士転職エージェントなどです。
ただ、他業種に転職するということは、アナタが潜在保育士になるということです。保育士不足の現状ですから、出来れば現場で頑張って欲しいと思います。
2-2保育士として転職
つまり、保育士自体は辞めず、別の保育園に行くということですが、ただ単に転職すると自分の最大の辛さの原因を解消でいない可能性があります。
しっかりと、次の保育園に求めることを明確にして転職活動をする必要があります。
仕事量や仕事内容が辛さの最大の原因の場合は、予め転職エージェントに伝えたり、面接前に自分で確認するなどして、同じような状況に陥らないようにしましょう。
転職エージェントを使えば、残業なし、年間休日数、有給休暇の消化率、完全週休二日、園長の人柄などはすぐに調べてくれます。
また、ある程度以上のポストで転職したい場合なども、転職エージェントを使うのが良いでしょう。転職エージェントは非公開求人を持っているからです。
2-2-1人間関係のリセット
人間関係以外に辛さの原因がある場合は、何もなく転職してもイマイチです。
しかし、人間関係のような、働いている人がリセットされさえすれば良いなら、転職するだけで一定の効果が得られるでしょう。
また、人間関係をリセットし良い関係を築ければ、仕事内容にもプラスに働きます。
もちろん、先程の記事のリンク先を読むなどして、転職後の人間関係の構築を失敗するのだけは避けましょう。
ただし、人間関係は相性です。転職しただけで全て上手くいくとは限りません。あくまで一度リセットできるだけです。
2-2-2通勤時間などのカット
正社員で働きたいが、拘束時間はなるべく減らしたいと言う場合は、通勤時間をカットすることをメインテーマにしても良いでしょう。
また、最近は都内の色々な区で実施されている「宿舎借上げ支援事業」を利用し、保育園から近いところに引越&転職しましょう。
そうすれば、拘束時間は長くても、通勤時間は激減させられます。
もし、今が通勤に1時間かかっていて、往復2時間かかるなら、引越して往復30分などに出来れば、同じ労働時間でも1時間半早く帰れます。
宿舎借上げ支援事業は、区によって異なりますが、8万円以上貰えることもあり、実質的な収入を上げることにもなります。
2.3雇用形態を変更して転職
労働時間が長いのが辛すぎて、それが辛さの最大の原因であれば、雇用形態の変更を視野に入れましょう。
雇用形態というのは、正社員・パート、常勤・非常勤などのことです。
正社員は、前述の宿舎借上げ支援事業やボーナスもあるので、収入は高いですが、割りに合ってない場合も多いです。
保育園のパートとシッターを組み合わせるなどで収入を上げれば、辛さを軽減して生活を送ることも可能です。
パートの場合、仕事量も抑えられますし、拘束時間も簡単には延ばされません。ただし、正社員保育士の補助的な業務をさせられることが多いので、保育を仕切りたい人には向きません。
まとめ
「園長の人柄が良いところに行きたい」
「拘束時間が短いところで働きたい」
「宿舎借上げ支援事業が使えるところに行き通勤時間を減らしたい」
「主として働ける保育園が良い」
このような、次の自分が長く働ける条件を明確にして、転職エージェントに伝えておけば、現在の辛さの最大の原因は排除できる。
単に転職すれば全て解決する訳ではありません。転職する際には、次の自分のなりたい姿を思い浮かべ、それを転職エージェントや転職先の園長や人事担当者にしっかりと示しましょう。