保育園の園長(施設長)を辞めたいというお悩み|向いてないと思ったら

保育園の園長(施設長)を辞めたいというお悩み|向いてないと思ったら

保育所の施設長、つまり園長を辞めたいというお悩みを抱えている場合、もちろん安易に辞めるなんて決断をしてはいけません。

管理業務だけでいい園長、事務だらけの園長、現場に入りまくりの園長、人間関係の対応ばかりしなければならない園長など、保育園の状況に応じて仕事の内容が変わってきます。

園長になって2〜3年は、正直言って結構キツイです。オープニングは園長以外も全員大変だし、交代で園長になる場合は前任の園長との比較は避けられません。

今回は園長の悩みピックアップし、その対処法をお話ししていきます。

ただ、先に言うと、今は大変でも保育園で唯一サボれるのは園長だけですので、出来るだけ辞めずに頑張って欲しいです。

園長(施設長)を辞めたくなるよくある悩み

園長の仕事はたくさんありますので、不向きな仕事も出てきます。

保育士でも、ピアノ・絵・製作・声かけ・体力などなど、全てが完璧な人はいませんよね。

ただ、園長はマネージャーです。必ずしも現場スキルが高い必要はありませんが、マネジメント業務は絶対に欠かせませんので、苦手でもやるしかありません。

そして、マネジメント業務に加え、現場にヘルプで入らないと回らないなら、とてつもなく大変になります。

さて、とは言えまずは、園長に多い悩みをピックアップします。

  • パソコンやシステムなどのテクノロジーに疎くて疲れる
  • 部下が言うことを聞かなかったり仕事ができなくてイライラする
  • 年上部下が使いづらくて嫌になる
  • モンスターペアレンツやモンスター社員にうんざりする
  • 施設長経験が無い・浅いのに支援がない
  • 自身の管理能力のなさに「向いてない…」と自己嫌悪
  • 尊敬されない

こんなところでしょうか。しかも、複数当てはまったりしてたりするものです。

では、二つ話をしたあと、それぞれ解説していきます。

原則1|性格が悪い園長より仕事が出来ない園長が嫌われる

保育園はいわゆる”女の職場”ってヤツです。変な派閥づくりやイジメなどが発生することが多いです。

ただ、この標的になるのは、性格が悪い人ではなく、仕事ができない人です。

仕事が出来ない人→イライラする→イジメる→仕事ができない人の愚痴で盛り上がる→派閥ができる→組織的イジメ

こんな流れです園長も例外ではありません。

園長は権力があるので簡単にイジメられませんが、派閥が出来てしまうと園長ですらイジメを受けることもあります。

みんな集まれば園長も怖くないってやつです。

イジメまで至らなくても人間関係がギスギスした感じになります。

これは、元を正せば”仕事ができないから”です。

シフトを出すのが遅い、書類のチェックが遅い、提案・指示が遅い、ミーティングがトロい、意見がコロコロ変わる…。

こんなツッコミ所がある園長の場合、他の職員が園長の愚痴で盛り上がって派閥化してしまう可能性があるのです。

間違っている人が多いんですが、園長は良い人である前に仕事が出来る人でなければいけません。

良い人で更に仕事が出来るのが理想なのは言うまでもありませんが、人間関係とかいう前に、まずは仕事を出来るだけ完璧にこなしましょう。

良い人になって人間関係を良くしようとするのではなく、マネージャーとしての仕事をちゃんとすることが何より大事なのです。

原則2|園長は上手くやれば一番サボれる仕事!

園長は、ちゃんと人を育てて、ちゃんと仕組みを作って、組織づくりが出来れば、事務仕事と面談しかしなくて良いくらいサボれるようになります。

自分がちゃんと場を整えれば、楽できるのです。

なので、今は辛くても、投資だと思って頑張ってください。

この自分が健やかに働くための組織づくりを、長期的・計画的・投資的な視点を持って働かないと、いつまでも楽になりません。

場当たり的にガムシャラに頑張っても疲れる上に、みんなから恨まれます。

将来的に楽になるために今を頑張ろう。

園長(施設長)が辞めたくなる悩みを個別でやっつけよう

それでは最初に一覧にした園長が辞めたくなる悩みをそれぞれ見ていきます。

当てはまれば当てはまるほど辛いことでしょう。

ただ、園長は簡単に辞められないので、諦める前にスキルアップに挑戦しましょう。

生涯学習です!諦めないで!

パソコンやシステムなどのテクノロジーに疎くて疲れる

もう今の時代にパソコン作業は欠かせません。

ICT化も進んでいますし、様々なシステムが導入されています。

これらに疎くて、作業に異様に時間がかかってしまい、疲れてしまう。良くあることです。

ただ、これは苦手意識が原因です。ちゃんと使えば、大幅に業務効率化できます。負担が減るんです。

苦手意識は何の役にも立ちません。時代を戻すことは出来ないんですから。

苦手意識を取っ払って、積極的に勉強してください。

ここで重要なのは、ただ使えることではありません。”業務効率化”が目的です。

業務効率化するために、使いこなす必要があります。

導入しているシステム・Excel・Word・ショートカットキーくらいはしっかりと”勉強”してください。

勉強をしていないから、出来る人の10倍くらい時間がかかっている人、本当にいます。

これに関しては、悩むのは無駄です。勉強すれば解決します。

業務効率化をやる!という目的を忘れずに、勉強しよう。

部下が言うことを聞かなかったり仕事ができなくてイライラする

完全なる無能な人というのは確かにいます。今の子どもだったら障がい者扱いされるような人が大人になったということは、当然にあるものです。

ただ、園長はいろんな人を適材適所に配置して上手く回す必要があります。

使えないから潰すみたいなことをしても、人手不足が永遠に終わりません。

使えない人は2割程度は常にいるという、8:2の法則や2:6:2の法則というのがあります。

  • 8:2の法則というのは、8割が普通で2割が使えない人になるというもの。
  • 2:6:2の法則というのは、2割が使える人で、6割が普通の人、2割が使えない人になるというもの。

まずひとつ言っておきたいのは、「あいつが使えないせいで…」と使えない人に責任を押し付けるのではなく、「ここまで指示してるのに言うこと聞かないのは、自分がおかしいのかな?」と思うまで頑張りましょう。

もちろん、園を良くするために頑張っているのなら、あなたはおかしくありません。

しかし、「自分がおかしいのかな?」と思えるまで頑張ったらもう少しです。

ここから、その出来ない人の為の対策を考え、実践していけば「あの人はこれくらい出来れば充分。」「長期的に育ってくれれば良い」「なんなら10年計画」くらいの気持ちになって、割り切って悩むことが少なくなりますよ。

全員に同じ仕事をさせようとせず、適材適所を考えよう。

年上部下が使いづらくて嫌になる

雇われ園長の場合、20代や30代で園長になることも多いです。

年下ってだけで、年上部下から舐められることもあります。「自分の方が年上なのに、なんであんな奴の下に…」とひがまれることもあります。

年上部下には、変なこだわりが染み付いていたり、愚痴るのが生きがいみたいな人も結構多いです。いちいち話が長すぎる人もいます。

年取ってれば偉いということはあり得ませんし、年取ってれば仕事が出来る訳でもありません。

しかし、出来ない年上部下でも、自分がこれまで培った人生経験が武器だと思っています。

相手が年上なのは事実なので、そこはちゃんと敬意を持って接してください。簡単に言うと少しはヨイショはしましょう。

また、大事なのは相手と同じ土俵で争わないことです。

ポジション的な上下関係は周知の事実ですので、ワザワザ偉そうにする必要はありません。

年上部下をどうにかしようとする時、自分が上であると分らせたくて、必死に論破しようとばかりしてしまい、関係が悪くなる例が多いです。

年上部下でも、それなりに年齢が行ってる人がいた方が、保護者に安心感を与えられますので、年上部下にも価値があるとポジティブに捉えましょう。

敵対するのではなく、味方につける方が得なのは間違いありません。

相手の年齢に関係なく、自分は管理職・リーダーとしての役割をまっとうしよう。

モンスターペアレンツやモンスター社員にうんざりする

モンスターペアレンツやモンスター社員は、根本的には同じ原理で生まれます。

まず、先天的モンスター・後天的モンスターがいることを理解しましょう。

  • 先天的モンスターは、元々の性格や常識がない人で、基本的に手に負えません。恋愛でいうところの浮気性みたいなもので、相当なことがないと治りません。
  • 後天的モンスターは、何かの経験・トラウマが原因で大人になってモンスター化した人です。一時的なモンスター化の場合もあります。

モンスターペアレンツは、先天的だろうと後天的だろうと、利用者なので謙虚かつ毅然に対応し続けるしか対策はありません。ただ、保護者にはその都度、見通しのある正しい周知を行い、また送迎時の雑談時に余計なことを言わない保護者対応をするように職員に徹底しましょう。

さて、モンスター社員については、少し掘り下げます。

先天的モンスター社員は、幼少期からおかしい人ですので、家族などとしか普通に接することができません。

そして、その家族も少しおかしいことが多く、職場にモンスター社員の家族が電話してきて文句を言ってくるケースもあります。

話が通じないことが多いので、面接の時点で見抜けるように人を見る目を鍛えるのが最も重要です。先天的モンスター社員を採用してしまったりするなら、面接で質問する項目などを見直しましょう。

面接の時点で、異様に自己主張が強く自意識過剰だったり、とにかく他責な考え方だったり、要望が多く協調性がない人などは、モンスターの可能性が高いです。

後天的モンスター社員は、入社前にモンスター化したのか入社後にモンスター化したのかで大きく変わりますが、しっかりとマネジメントしてあげればモンスター化を防いだり、治すことができます。

場当たり的な対応による見通しのない不安感・酷使・不公平などが原因でモンスター化してしまいます。

自分のマネジメントのせいでモンスター化することがあることを、しっかりと心に刻みましょう。

モンスター化した人には、狂乱状態になる人(反抗)と、鬱のような状態になって粘着してくる人(被害妄想・不安定・嘘つき)に分かれます。

いずれも対応はめんどくさいですし、他の職員に妄言を吐いたりして会社への不安を煽ったりするため、自分だけが我慢すれば済む話でもありません。

自分がモンスター化させてしまう場合もあることを理解し、マネージャーとして成長しよう。

施設長経験が無い・浅いのに支援がない

会社が複数園を経営しており、その一つを任されたのであれば、本社からの支援やエリアマネージャー的な人、先輩施設長からの支援を受けられるハズです。

しかし、丸投げ気質のような組織的に未成熟な会社の場合は、支援が受けられないこともあります。

これに関してはハッキリ言いましょう。

そういう会社だから園長になれたんですよ。

あなたが保育歴30年で全年齢を担当した経験があって、主任も経験して、施設長も経験してきた人だったら、そんな会社じゃなくもっと良い会社で園長やってますよ。

マネージャーになったからには、分からないことは自分から上に質問し、保育だけでなくマネジメントの勉強をして、自走していくのは当然のことです。

もちろん、運が良ければ手厚く支援してくれる先輩や上司がいるでしょうが、それがないからと辞めたいと思うのはNGです。

自己成長できない人は、今後も何も上手くできません。マネージャーってそんなものです。

自身の管理能力のなさに「向いてない…」と自己嫌悪

ここまで読んでいれば、管理能力というのはこれから上げていくものだと感じたと思いますが、少し別の視点からもお話ししましょう。

まず、管理能力がない人は、マネジメントの勉強不足な上、人の気持ちやモチベーションが分かっていません

  • 職員の離職や入社後のことを予想できずシフトの完成が遅かったり、変なシフトを作ったりします。
  • 行事などの準備の効率が悪く、園長の決定が遅いため、職員を行事の準備でバタバタさせる
  • 保育の流れややり方、書類の書き方を突然当たり前の様に変更する
  • 職員への情報共有が遅く、指示もいつも急
  • その場しのぎや”上から感”を出す為に発言するので、話が噛み合わない
  • 良かれと思ってしたことが裏目にでる
  • 園長自身もバタバタしすぎて色々覚えてなかったり忘れたりする

こんなんだから、部下は常に不安感の中バタバタすることになるんです。

何もかも非効率になっているハズです。これでは人手が足りていても常にキツイはず。

こんなことでは良い保育が出来てる訳ありません。保育士の不満もマックスでしょう。

保育士が不満マックスなので、離職率が高く慢性的に人手不足になります。

しかし、この程度のことは、マネジメントの勉強をして、しっかり考えてシミュレーションして、主任やリーダーと相談していけば大幅に改善されます。

あと、相談を受ける時に”上から感”は止めてください。上から感というのは、「自分は偉いんだぞ」と能力で示すのではなく、態度や言葉で上司っぽさを出すことです。

まだまだ園長として未成熟なのに偉そうにされるのが一番ムカつかれますよ。

純粋に目的達成・課題解決を続ければ、偉そうにしなくても尊敬されます。

尊敬されない

もし尊敬されないと言う悩みが真っ先に出てくるなら、あなたはアホです。

尊敬されない理由は単純明快で、尊敬されるに値しないからです。

あなたは「尊敬してください」と言ってくる人を尊敬しますか?

そもそも、尊敬はされたくてされるのはなく、尊敬される人がされるだけです。

保育園の園長は、保育スキルよりも、人格・マネジメント能力があって、はじめて尊敬されます。

園長になっただけでスキルアップする訳ないですし、園長になっただけで尊敬される訳ないです。

尊敬されたいなら、ちゃんと園長の仕事してください

間違っても「私は偉いんだぞ」とか「頑張ってるんだぞ」とか「一番大変なんだぞ」みたいな事を言わないで下さいね。

そんなこと言ってたら、尊敬どころか軽蔑されますよ。

尊敬されないということを悩む時点でおかしい。

最後に|園長になったら経験や予想だけで動かず、勉強と計画性で乗り切りましょう

怠けてるのか勘違いしているのか、自分の経験を元にしたり予想したりして頑張る園長が多いですが、順序が逆で、勉強と計画が先です。

ここまで書いたような悩みがある人は、園長になったのに、マネジメントの勉強をしてないんじゃないですか?

もちろん、掃除や雑用や保育のベース、子どもの発達については経験でほとんどまかなえるでしょう。

ただ、園長になってからは、自分が現場に立つのではなく、人を使って現場を回さなければなりません。人を使って自分の考える保育をさせる訳ですから、簡単なことではありません。

今のあなたでは、PCスキルにしても、マネジメントしにしても、人を使っての保育など、これまでの経験だけではどうにもなりません。

それに、確かな知識と経験が合わさらなければ、予想もできません。

パソコン・マネジメント・保育を常に学び、計画的に見通しのあるように物事を進め、経験を養い、予想ができるようになりましょう

園長になってまで勉強するというのはウンザリするかも知れません。しかし、組織を整えれば最終的に一番サボれるポストです。

今はサボるための準備だと思って、勉強を頑張りましょう!

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