”保育士から事務職”への転職|事務職の種類、面接対策、注意点などを一気に解説

”保育士から事務職”への転職|事務職の種類、面接対策、注意点などを一気に解説

保育士さんの仕事は、頭も体も心も使う大変なお仕事です。

保育士を辞めたいと思ったら、事務系の仕事が気になりますよね。

事務の仕事は座ってやる仕事が多いので、保育士さんよりは体力的には楽かと思います。

しかし、保育士さんは保育の専門家ですので、事務などの一般の仕事へ挑戦するのは不安だと思います。

そこで、保育園の経営・人事を10年担当し、転職エージェントの資格も持っている私が、事務職の種類と仕事内容、転職するまでの手順、面接対策、そしてそれぞれの注意点についてご説明します。

結構長いですが、今後の将来を左右することなので、しっかりと何回も読んでくださいね。




保育士から事務職になるということ

これまの記事でも似たようなことを何度か書いてきましたが、事務職希望者はかなりたくさんいます。

事務ばかりしてきた人もいるし、事務系の資格をたくさん取ってる人もいるし…事務しかできない人だけでなく事務のプロもたくさんいる訳です。

保育士さんだという時点で事務のプロでないことが明らかで、保育士は即戦力として期待してもらえません。

また、事務職を希望する人が多いため、事務職の需要は多いんですが事務職の供給も多いので、給料は低めです。

”最低賃金にボーナスがついただけ”の給料で募集している会社はたくさんあります。

さらに、毎日8時間みっちり事務仕事ばかりではないことも多いです。

事務の仕事での採用されたのに、営業さんなどの他の社員のサポート、来客・電話対応などの受付業務、お茶出し、掃除など、事務仕事だけでなくサポート業務や雑用までやらされることが多いです。

最初から、デメリットっぽい話になりましたが、この3点を頭に入れておきましょう。

  • ライバルが多い
  • 給料アップは望めない
  • 雑用が多いこともある

保育士が事務職になるメリット

デメリットが結構大きいですが、メリットもちゃんとあります。

事務職は、誰でもできそうな仕事のように見えますが、現場ではやはり会社の制度やシステムをしっかり覚えてた人にはずっと居て欲しいと思っています。

それに保育士のように体力勝負の仕事ではありませんので、体力的にも保育に比べれば余裕ができて長く続けられます。

そして、事務スキルを身につけておくのは将来的にも良いことだと思います。

何より、始業時間と終業時間がほぼ固定で、残業がない会社も多いので、ワークライフバランスが良いです。

保育士で頑張ってきた方からすると、かなりの魅力だと思います。

  • 長く続けられる
  • スキル取得は良いこと
  • ワークライフバランスが取れる

保育士さんはまず事務職の種類を知ろう

さて、保育士さんは、まず事務職の種類を知らないと思いますので、ざっと説明します。

これを分かっていないと、採用されるはずもない事務職に応募してしまったりして、無駄な時間を過ごしてしまいます。

と言うわけで、ざっと一覧でご説明します。あとでオススメを紹介しますので、ザッと見てもらえばで良いです。

事務職の種類

  • 一般事務・OA事務:書類の作成・管理やパソコン入力、お客様対応、雑用など、幅広く担当
  • 営業事務:営業さんのサポート、お客様対応が中心
  • 総務事務:備品や事務所の管理、イベントや突発的なことへの対応が中心
  • 経理事務:現金の管理や収支計算、決算書類の作成補助などが中心
  • 人事事務・労務事務:採用や退職の手続き、給料計算。労働保険の手続きが中心
  • 法務事務:契約書の作成や管理、顧問弁護士との中継ぎなどが中心
  • 貿易事務:輸出入の手続き、商品管理、輸送・倉庫の手配などが中心
  • 学校事務:学校で働く事務で非常に幅広く対応することが多い
  • 医療事務:病院で働く事務員で幅広く対応する上、受付業務・レセプト管理など専門的な業務も対応

事務職の種類はこんな感じです。

かなり多いですけど、オススメの事務職を紹介しますので、別に覚える必要はありませんので、ご安心を!

それでは、この中で保育士から事務職へ転向する際のおすすめはこの事務職です。

  • 一般事務・OA事務(一般企業だけでなく保育園・保育園運営会社の事務も検討)
  • 営業事務
  • 総務事務
  • 医療事務(個人病院・資格取得検討)

この4種を狙ってください。

一般事務は、仕事の幅広いので、幅広く人材を募集していることが多いです。

営業事務は、会社のシステムや顧客を覚えるまでは経験者でも素人同然ですし、顧客対応もありますので人柄で未経験者でも入り込める可能性があります。

総務事務は、専門知識がなくてもどうにかなることも多いので、これまた人柄で入り込める可能性があります。

医療事務は、個人や小規模の病院であれば人材確保に困っていることがありますので、未経験でもとりあえず採用してくれることがあります。しかし、資格を取ることをオススメします。

保育士が事務職に転職する為の手順

近所の病院の医療事務を狙うなどの特定の目標がない場合は、一般・OA事務、総務事務、営業事務、医療事務をまとめて探していきます

保育士として転職する場合は掲載型の転職サイトと転職エージェントを併せて使うのが基本ですが、事務職の場合は掲載型一本で良いでしょう。

右も左も分からない場合や特にこだわりがない場合は、まずリクナビNEXTに登録しましょう。

リクナビNEXTは最大手ですので、かなりの事務の求人があります。絞って探さないと選べないほどあります。

では、リクナビNEXTを使うとして話を進めます。ここからは、箇条書きで説明していきます。

  • プロフィール・学歴・経験・職務経歴を入力(一気にやらなくてOK)
  • 職種で、一般事務や総務で絞り込む。
  • 業種はこだわりがなければ絞り込まなくてOK。
  • 勤務地で絞り込む。
  • 検索結果で良いものがあれば、とりあえず「気になる」を押しまくる
  • プロフィール・学歴・経験・職務経歴書を入力して「応募する」

今までリクナビNEXTを使ったことがない人は、すぐ応募するのも怖いと思います。

何より、初の保育士以外の仕事となれば不安でいっぱいですよね。

そこで、まずは「気になる」というシステムを使っていきます

こちらが「気になる」を押すと、企業側がリアクションをしてくれることがあります。

具体的には、”応募歓迎”とか”面接確約”というリアクションをしてくれます。

とりあえず、そのリアクションをしてくれた企業の中から検討して行きましょう。

保育士が事務職への転職活動をする際の注意点

さて、保育士さんの場合、書類選考が無かったり、書類選考は通過するのが当たり前だったと思いますが、事務職の場合は書類選考でドンドン落とされることもあります

ですので、最終的には10社や20社くらい応募する気持ちでいた方が良いでしょう。

最初に書きましたが、保育士は即戦力と見なされませんし、ライバルも多いですからね。

ただ、この10社や20社応募するということは、一般の就職活動ではいたって普通のことです。

35才以上ともなると、50社くらい受けないと決まらない場合もあります。

次に、この書類選考は、まずリクナビNEXTで入力したプロフィールなどを元に行われます

そこで、「気になる」の段階では気にしなくて良いですが、そこから「応募する」場合は、応募の前に必ずプロフィールや職務経歴などは全て埋めておきましょう

このプロフィールや職務経歴は、履歴書や職務経歴書としてダウンロード出来ますので今後もよく使っていきますので、入力が無駄になることはありません。

プロフィールや職務経歴をキチンと書いてから応募するようにしてください。

  • プロフィールや職務経歴を入力した上で、10社〜20社応募しましょう。(「気になる」はすぐにしてOK)
  • 保育士とは違い書類選考で落ちることもあるが、それが普通なので気にする必要なし。
  • 10〜20社応募しなければならない場合もあるが、それも普通なので気にする必要なし。

保育士が事務職になる転職活動での面接対策

さて、人によってはここからが本題となるでしょう。

面接に用意する書類(履歴書・職務経歴書)の作成と、面接そのものの対策についてです。

まず、リクナビNEXTで「応募する」前にプロフィールや職務経歴を入力しているので、既に履歴書と職務経歴書がほとんど完成しています

リクナビNEXTから履歴書と職務経歴書がダウンロードできるので、ダウンロードしてみてください。

次に問題になるのは、志望動機と自己PRですですよね。

志望動機や自己PRの書き方については、保育園に転職する為のアドバイスで書いた過去記事を参考にしてください。

内容は保育園に転職する為ですが、基本的な書き方や考え方は同じです。

ただ、志望動機・自己PRの書く内容、そして面接の対策については、保育園から保育園に転職する場合と少し違いますので、ここで補足しておきます。

保育士が事務職に転職する場合の”志望動機”

勘違いの多い志望動機の書き方ですが、ここでも釘を刺しておきます。

志望動機は、”事務職を志望する理由ではなく、その会社を志望する理由”です。

面接官は、当たり前ですが「なぜ弊社を志望したんですか?」と聞きたい訳です。

ここでは「人間関係や激務に嫌気がさして事務職に転身しようと思った。」なんて聞いていません。

「面接で、なぜ保育士を辞めようと思ったんですか?」と聞かれるとは思いますが、履歴書に書く志望動機は、面接を受ける会社に入りたい理由です。

よって、その企業のサービスや理念に共感して少しでも関わりたいと思ったことと、自身がスキルアップしたいと言うことを書きましょう。

保育士が事務職に転職する場合の”自己PR”

自己PRについての構成については、先ほどリンクをつけた記事の通りで良いのですが、あれは保育園の人事担当が読む用に作っているので、一般企業の人事が見ると「で?」となる可能性があります

よって、少し修正が必要です。

「これまでこんな経験があって、こんなスキルを身につけた。」ということ書くのは変わりないのですが、「それを社員のバックアップに繋げられる。」とか、「保育の計画はパソコンで作成していたので、パソコン作業にも問題ない。」とか、そう言う風に持っていきましょう。

自己PRは、人それぞれの経験が物を言いますので、個人個人で全然違ってきます。

このサイトからリクナビNEXTに登録してくれた方には、プレゼントとして無料でアドバイスしますので、当サイトの相談窓口からご連絡ください。

不安なら志望動機もチェックします。

今回は、転職エージェントを使わない方法で転職するので、私を頼ってくれて良いです。「書いてみたけど、これで良いっすか?」くらいの軽い気持ちでOKですよ。

いざ面接!保育士が事務職に転職する場合の”面接対策”

さて、晴れて面接が決まった場合、面接ではすごく緊張すると思います。

保育園のようなアットホームな雰囲気とは違い、ガッツリと企業ですからね。

でも、ビビる必要はありません。最近の中途採用は結構フランクな雰囲気も多いですし、ほどよい緊張感でいきましょう。

同じ事務所で働く訳ですから、カチコチのお堅いマシーンみたいな人より、少し柔らかい人が良いですからね。

面接のお作法は、こちらの記事を参考にしてくださいね。

さて、問題はお作法よりも、質問にちゃんと答えられるかです。

聞かれる可能性が高い内容を押さえておきましょう。

  • なぜ保育士を辞めようと思ったのですか?
  • どうして事務職になろうと思ったのですか?
  • ○○事務の仕事(前述の事務の種類による)は、どういう仕事だと思っていますか?
  • パソコン操作は問題ありませんか?
  • 志望動機は何ですか?(テンプレ質問)

保育園の経営・人事を10年担当していましたが、他の部署の事務職の面接もしていました。で、私だったらこの辺は聞くと思います。

これ以外の質問は、面接官の性格や気分、会社の独自の面接マニュアルによると思いますので、予想が難しいです。

もしかすると、「AIの発展で事務職が減ると言われていますが、将来をどう考えていますか?」とかいう意地悪な質問がくるかも知れません(笑)

意地悪な質問は、ユニークに返した方がいいですが、とりあえず基本の質問に対する答えは、この二つを参考にしてください。

保育士を辞めた理由や保育士から事務員になろうと思った理由は、「結婚や出産を考えると、早番や遅番のある保育士を続けるのは難しいと思った。将来を考えると事務系スキルが必要と考えた。」的なことでOKです。

それに加えて、総務事務・営業事務なら「人のサポートをするのが得意」とか、医療事務の場合は「福祉の精神が医療の現場でも役に立つと思う」とかを付け加えると良いでしょう。

保育士が事務職に転職する場合の”面接の注意点”

保育園から保育園の転職でもそうなんですが、とにかく”嫌なことから逃げる”というネガティブ転職じゃないと言うことが重要です。

実際はネガティブ転職で構わないんですが、志望動機・自己PRや面接では言わないようにしましょう。

そりゃあ当然、事務員だってプライドを持って働いている人は沢山いますし、面接官からしても逃げてきた人よりも意欲的に応募してきた人の方が好きですからね。

保育士を辞めたいという気持ちが強いかも知れませんが、そっちじゃなく「将来のことを考えて事務職になりたいんだ!」という気持ちを押し出してください。

おまけ①保育士が事務職への転職が中々決まらない場合

これまで何度も書いた通り、保育士が事務員に転向する場合、普通の転職活動をしたことがない保育士さんには辛いかも知れません。

あまりにも採用されない場合は、派遣社員も検討してみましょう

派遣社員は正社員ではないので、若干給与が低いですが、ワークライフバランスは取れますので、今後ちゃんと事務職に転向するための投資として、事務スキルを磨くために検討してみてください。

それと、保育園の事務員です。

保育士を辞めたいのに保育園の事務というのは、若干抵抗があるかも知れませんが、これも先々正式に事務職に転職するための投資と捉えて、事務スキルを得るために一度挟んでも良いと思います。

おまけ②:医療事務になりたい場合は資格取得。パソコンスキルに自信がない場合はスキルアップを検討してください。

医療事務は資格がなくても出来るんですが、前述の通り事務員はライバルが多いです。

医療事務になる場合は、個人病院などに滑り込むことをオススメしていますが、本気で医療事務になりたい場合は、資格取得を検討しなければなりません。

また、事務員はWord、Excelの基本操作は出来て当然ですから、「パソコンに自信がない」とか言ってしまうと確実に不採用です。

医療事務になりたいなら、医療事務の資格を。

パソコンに自信がないなら、パソコンのスキルアップを。

それぞれ検討してください。独学でやるのに自信がない場合は、忙しいとは思いますがスクールに通うのが結果的には早いです。

おわり

中々大変な内容になってしまいましたが、保育士が事務職になるということは、それくらい大変なんです。

一般企業での転職活動の経験がないことが、転職が大変になる一番の理由ですね。

本気で事務職になりたいなら、この記事を何度も読んで頑張ってください。

それでは、まとめておきます。

  • 保育士が事務職になるということは、ライバルが多い上、慣れない一般企業の転職活動で大変。
  • 事務の種類と仕事は沢山あるけど、オススメは一般・OA事務、総務事務、営業事務、医療事務。
  • 転職活動は、こだわりがないならリクナビNEXTを使おう。
  • 「応募する」前にプロフィール等の入力を必ずやろう。
  • 志望動機・自己PRは正しい書き方で書こう。
  • 面接ではネガティブ転職ではないことを伝えよう。
  • 本気なら、医療事務の資格取得・パソコンスキルアップも検討しよう。

一度事務員に転職できれば、今後も事務員として活躍できます。

それでは、良い転職を!

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