保育士試験を受けようと思っている方、はたまた一度…ならず二度も落ちた方、ニコイチスパイラルにハマってしまった方。
色々な方がいらっしゃると思いますが、まずここでは保育士試験の対策の概要をお話します。
一発合格を狙うのも良いですが、ぶっちゃけかなり厳しいです。9科目もありますからね。
そもそも、3年または5年も合格科目を持ち越しできるってことは、それだけ難関試験だということですよ。
試験は、土日で9科目ありますが、正直言ってテストを受けるだけでかなり疲れます。最後まで集中力が保ちません。
ここでは、優先して勉強するべきもの、確実に1回目の試験で合格を狙うもの、根本的な勉強の仕方など、保育士試験の攻略に役に立つ情報をお話しします。
まだ受けたことない方、闇雲に勉強してきた方は、まずはこの記事を読んで保育士試験の対策を考え直してください。
保育士試験の概要|9科目とその難易度
まず、保育士試験は、9科目ありますよね。
保育の心理学、保育原理、児童家庭福祉、社会福祉、教育原理、社会的養護、子どもの保険、子どもの食と栄養、保育実習理論です。
このうち、教育原理と社会的養護がニコイチと呼ばれ、2科目同時に合格しなければ、次に持ち越せません。
保育士試験の合格率
保育士試験の合格率ですが、平成23年の時は14%、平成28年は25%となっており、合格率は年々高くなっています。
保育士不足のおかげで、年に2回実施されている今のうちに合格しておきたいところです。
保育士試験の科目別難易度
保育士試験の難しさは、その科目数の大さと、ニコイチの壁のせいです。
1科目だけだとそこまで難しくありません。しかし、9科目分も幅広く勉強しなければならないために、頭がおかしくなってしまいます。
全科目に全力を注いでいたら、時間は足りませんし、やる気もおそらく保てません。
そこで、主観ではありますが、以下の科目別難易度を参考にして効率よく勉強してください。
○やや簡単(1回目で確実に合格したい)
子どもの保健、子どもの食と栄養、保育実習理論
○普通(1回目でどちらかは合格したい)
保育の心理学、保育原理
○難しい(1回では受からない可能性あり)
児童家庭福祉、社会福祉、教育原理、社会的養護
これまであなたが生きてきた人生によって感じる難易度に差があると思いますが、一般的にはこうだと思います。
こういう難易度に分けは、「自分の生活に役立つか?」「一般常識で解けるか?」「普通の保育の話か?」という3点を気にしています。
やや簡単とした3科目|子どもの保健、子どもの食と栄養、保育実習理論
自分の生活の知識や一般常識である解ける問題があります。さらに、リアルに現場でも使えますし、想像しやすい内容です。普通に自分の今後の役に立つものも多いです。
このやや簡単3科目(子どもの保健、子どもの食と栄養、保育実習理論)は、一回で合格してください。本当に少し勉強すればいけます。
普通の難易度とした2科目|保育の心理学、保育原理
いわゆるザ・保育士って感じで勉強できます。この、頭に普通の保育士さんを想像しながら解けるってすごく重要なんですよ。
問題を読んだ時に、場所や人たち・状況がパッと頭に浮かぶのと、そうでないのでは難易度に大きな差がでます。
保育所保育指針、応答的な関わり、子ども主体、保育の計画などなど…これらは、保育士を目指す人なら、比較的覚えやすい内容ですし、保育士になるなら必ず覚えなければならない部分です。
普通に考えて大事だって内容ですから、自然と勉強に集中できます。よって、普通の難易度です。
というか、この保育原理と保育の心理学が一番苦手だという人は、保育士になるのは確実に無理です。
難しいとした4科目|児童家庭福祉、社会福祉、教育原理、社会的養護
ザ・保育士って感じじゃない問題が多く出るので、想像がつかなかったり、そもそも興味が湧かないため、かなり難しく感じます。
どういうことか?
まず、教育原理は「幼稚園・認定こども園・小中学校」などの話で、教育基本法・学校教育法 ・幼稚園教育要領など、保育士にあんまり関係ない話が出るんです。これらは、保育指針とか児童福祉法と言い回しも異なり、穴埋めなどで非常に苦労します。
認定こども園は、保育士も働きますから関係ある気はするんですが、保育士はやはり保育をしますので実際関係ないんですよね。
そして、残りの福祉軍団(児童家庭福祉、社会福祉、社会的養護)ですが、福祉ですので保育士としては非常に関わりがあるんですが、保育園がほぼ登場しないんです。
だから、普通に保育園で働く為に保育士を目指している人には、なんの話か分からないし、興味も持てない内容を勉強しまくることになります。
障害のある児童や虐待を受けた児童だけでなく、障害者(大人ってこと)、DV被害者、母子父子家庭支援、生活保護、里親、年金…
普通の保育園で働こうと保育士になろうとする方には、直接関係ないことが多いです。よって、勉強がかなり辛く苦しいものになります。
ただし、教育原理以外は、福祉に関する話ですので、まとめて勉強するにはもってこいです。
保育士試験の攻略法と勉強法
さて、ここまでで充分長かったですが、ここからは攻略法と勉強法について少しお話しします。
それと、ここでは「仕事をしながら独学で勉強する人」を想定してお話しします。
保育試験対策の基本的な考え方
私がおすすめする攻略法で最も重要な考えは、「一発合格なんて目指さない」です。
一発合格を目指すなら、まずあなたが頭が良いことが前提になり、独学なら3ヶ月〜半年の間毎日1〜3時間勉強に費やす必要があります。
保育士試験に一発で合格しないと大きなトラブルが発生するなら、もちろん一発合格を狙ってください。ただ、一発合格するなら、3ヶ月は最低でも時間をとって、金にも糸目をつけずに勉強してください。
それでも多分無理です。
そもそも、年に2回保育士試験があってるんですから、2回で受かればよくないですか?一発合格だろうが、2回で合格だろうが1年で取れたって事実は同じです。
昔は1年がかりで取ってた訳ですし、半年勉強するなら、その半年で保育士試験2回受けれるじゃないですか。
一発合格なんて、他の人に自慢するくらいしか価値がないんですよ。
保育士試験側も、年に2回やってる上に最長5年持ち越しできるようにしてるんですから、一発合格する訳ないと思って作ってる訳ですよ。
保育士試験の攻略法
まず目標です。
3ヶ月勉強して、1回目の保育士試験を受けます。
そして、先ほどの「やや簡単」の3科目と、「普通」の1科目に合格しましょう。
そこから6ヶ月勉強して、2回目の試験で「普通」の1科目と「難しい」の4科目に合格する。
という流れになります。
もちろん、1回目は気持ちの上では「一発合格できたら良いな!」と思いながら頑張ってくださいよ?
だから、9科目のうちの4科目に合格することが目標ですが、全科目一通り勉強してください。しかし、もちろん「やや簡単」と「普通」の科目を重点的に勉強しましょう。
一通り勉強していれば、もしかしたら大きな壁であるニコイチ(教育原理と社会的養護)に運良く合格できるかも知れませんからね。
そして、そもそも6割とればその科目は合格する上、問題数も少ないですから、「運」はめちゃめちゃ重要な要素です。
保育士試験の勉強法
保育士試験に限ったことではないですが、勉強の基本はアウトプット中心にすることです。
インプットとアウトプットは、だいたい1:3くらいの割合で。
- ザーッと覚えてアウトプットしてみる。
- 覚えてなかったところをザーッと覚えてアウトプットしてみる。
- また覚えてなかったところをザーッと覚えてアウトプットしてみる。
これの繰り返しです。
- インプットは参考書やネットを見て勉強・覚えることです。
- アウトプットは、過去問や一問一答で解いてみたり、人に教えたりすることです。
最も必要のないインプットとアウトプットは、ノートにまとめ直すことです。インプットにもアウトプットにもなりませんし、何より時間対効果が悪すぎます。
ノートにまとめることは「勉強した気になる」だけで、能力アップにはなりません。殴り書きで覚えてないところメモするくらいで充分です。
例えば、この記事の内容があなたにすごく当てはまり、気に入ったとします。全部覚えたいと思ったら、この記事を何回か読むでしょう。でも、それだけで内容は覚えますよね?
ノートにまとめなくても覚えられます。
科目別の具体的な勉強法については別記事でお話ししますが、おすすめなのは人名はまとめて抑えることです。
有名人の一覧を作っていますので、ぜひ利用してください。
おまけ
おまけとして、独立しているものと関連しているものを分けて覚えていくことが重要です。
例えば、児童・社会福祉系科目をまとめて勉強するのはOKですが、名前が似てるからと言って保育原理と教育原理をセットで勉強すると頭がおかしくなります。
根拠法や目的が違いますので、似たような内容でも言い回しや言葉が違って、わかりにくくなります。
それと、困っている人を助けるのが福祉って感じですが、相手が大人か子どもかしっかりと分けるて覚えることが重要です。
例えば、社会福祉法と児童福祉法の違いなどですね。
最後に、他の科目たちは、結構共通した内容(特に歴史上の人物など)も出ていますが、「やや簡単」としている3科目は、独立しているのでそれぞれ勉強しなければなりません。
ただ、逆に言うと、優先的に勉強して合格すれば、2回目の試験では全て記憶から消えてても大丈夫ですから、安心して残りの科目に集中できます。
おわり
今回は、保育士試験に挑む前の方に向けたアドバイスでした。
保育士試験について多数まとめておりますので、こちらのカテゴリーページからどんどん利用してください。
カテゴリページ▶︎▶︎保育士試験