保育園には、正式名称からは想像もつかない独自の名称になっているものが沢山あります。
更には、保育を知らない経営者がテキトーなネーミングセンスで名付けたものもあります。
もちろん、保育業界では常識となっている略称や通称もあります。
園長を目指す場合は、行政とのやりとりがあるので、正式名称を知っておかねばなりません。また、転職の際も面接時に正式名称を使って説明されるかも知れません。
今の保育園の呼び方だけ覚えていても、他園では全く通用しない可能性もあります。
今回は、10年間保育園の経営・人事にいた私が、その辺をまとめてご紹介します。
保育・書類の正式名称等
まずは、保育や書類の通称・略称の「正式名称」もしくは「正しく呼ぶとこうなるよ」というものを紹介していきます。
- 一斉保育:設定保育のこと
- 計画保育:設定保育のこと
*設定保育とは、目標を設定して保育をすること。歌の練習やお絵かきやパネルシアターやリトミックなどなど、保育士が中心となっている保育です。
- 自主選択保育:自由保育のこと
- 選択性保育:自由保育のこと
- 自主選択性保育自由保育のこと
*自由保育は、保育の基本で、子どもを自由に遊ばせたり学ばせたりする、子どもが中心の保育です。子どもが「自発的に働きかける」とか、「環境に主体的に関わる」とか、「遊びを通して仲間との関係を育む」ということが保育指針に書いてありますので、自由保育が最も重要だと分かります。
- 年カリ:年間指導計画のこと
- 指導案:指導計画、またはその案のこと
- 月案:月間の指導計画のこと
- 週案:週間の指導計画のこと
- 日案:毎日の指導計画のこと。デイリープログラムではない。日誌でもない。
*年間指導計画は必ず作成します。その年間指導計画をどのようにして実行・達成していくかを、日・週・月でそれぞれ計画を立てて実行していきます。役所には日案の作成は強制されません。
- 赤ちゃん記録:0歳児の日々の健康記録のこと
- 赤ちゃん日誌:0歳時の日々の健康記録のこと
- シズ:SIDSのこと。普通にエスアイディーエスと呼ぶ人が多い。
- ヒヤリ・ハット:特に正式名称なし(ヒヤりとしたりハッとしたことの略)
- SIDS:乳幼児突然死症候群の略
*SIDSはあくまで症状の略です。SIDSの対策や予防のための書類は、様々な呼び名があり、正式名称と呼べるものはありません。「午睡チェック表」「SIDSチェック表」などが一般的です。
保育施設や事業の正式名称等
次は、保育園の施設や事業に関する通称や略称の「正式名称」もしくは「正しく呼ぶとこうなるよ」というものを紹介していきます。
- 保育園:保育所のこと。
- 保育室:満2歳以上の幼児の部屋のこと。
- 保育指針:厚生労働省の保育所保育指針のこと。
- 保育所:基本的に認可保育所のことを言う。よって、保育所等などとイチイチ書かれている。
*「◯◯保育園」など保育園の名称は自由です。例えば、保育所の名前を保育園すら使わず「えがおの保育国」などとしても良い訳です。保育園はあくまでネーミングに使っているだけですが、認可保育所のことを認可保育園というのは、一応は誤りとなります。
- 小規模保育所:小規模保育事業を行う施設のこと。
- 小規模保育室:小規模保育事業を行う施設のこと。
- 小規模保育事業:認可保育所扱いですが、0~2歳までで、定員は6~19名です。
- 病棟保育士:病棟の中で働く保育士のこと。入院中の子どもの保育をします。
- 医療保育士:病棟保育士と同じ。医療行為をすることはありません。
- 院内保育所:病院内保育事業を行う施設のこと。医師や看護師の子どもの保育をします。
- 保育ママ:家庭的保育事業を行う施設、またはその施設長のこと。
*混乱をさけるためか、正式には保育所という言葉を認可保育所以外ではあまり使いません。そのため、◯◯保育事業という名称が多いです。
おわり
よくある用語をまとめていきましたが、まだまだ沢山ありますので、思いつき次第随時追加していきます。転職の際の質問で、「何のこと?」と思わないためには、色々知っておくしかありません。
また、園長になれば、行政の人に書類を見せることも多いです。行政の人は正式名称を使うことが多いので、知っておきましょう。