研修がOJTのみの保育園はブラックか?|求人票次第でブラック気質か分かるかも

研修がOJTのみの保育園はブラックか?|求人票次第でブラック気質か分かるかも

「OJT研修とは、研修とは名ばかりでブラック保育園の研修手法だ!」

こんなこと、言っている人がいました。

一時期からブラック叩きが流行ってますので、何でもブラックに繋げる風潮があります。(ブラックは叩かれて当然なのは言うまでもありませんが。)

ブラック企業とかブラック保育園を見分ける際、基本的に「法違反があるかどうか?」という点でしか、白黒ハッキリつけられません。

となると、OJT研修しかない保育園、いや、どんな企業でもですが、「OJTのみならブラック」なんて言えない訳です。

まあ、こんな屁理屈は置いといて、「OJT研修しかない保育園がブラックかどうか?」という疑問について答えようと思います。




OJT研修は立派な研修である

OJTとは、On the Job Trainingの略で、OJT研修とは実務をしながら研修をするということです。

例えば、短大や専門学校に行っていない、保育士試験に受かっただけの保育士は、保育の実務ができない人が多いです。

保育士試験は難しいですから、しっかり勉強していて保育のことは頭では分かっているんですが、実際に動くとなると難しい訳です。

勉強しても動けないんですから、体を使う仕事は体で覚える方が遥かに効率的な訳です。

また、ちょっとやってみたらできる人に、延々研修をやらせるのは無駄でしかなく、OJT研修を導入していたら悪いということはありません。

当たり前ですが、教えるのが上手い先輩や上司、もしくは良い研修システムであれば、OJT研修だけでも充分な成果があります。

OJT以外の研修って?

OJT研修以外の研修は、OFF-JT研修になります。

OFF-JT研修とは、職場外での研修です。 集合研修・講習会・通信教育など、日常の業務を離れて行う研修です。

とりあるず、座学ですね。ワークショップもやることも多いでしょう。

OFF-JTで教えて、OJTに移行するのがベストなんでしょうが、保育園でOFF-JTをやるとなると、保育士不足の現状では難しいです。

講師を自社か他社から用意しなければならず、新人は採用しても保育園にはおらず教室に行ってしまう訳で、色々なコストがかかりすぎです。

新人でも頭数としてすぐに現場に欲しいですし、講師ができるような優秀な保育士を保育に参加させないなんて、現場が心配すぎてたまりませんし、研修時期に代替職員を雇うお金の余裕はもちろんありません。

と言う訳で、いきなりOJT研修という選択は、普通です。

だがOJTが機能していない保育園は多い

保育園に限った話ではなく、一般企業でも、OJT研修がしっかり機能しているところは少ないようです。

私がコンサル等で関わった範囲内でもその実感はありますし、厚生労働省のページにもそのようなものがあります。

知人が運営している中小企業に絞ると、ほぼ100%がOJT研修のみで、さらに機能していません。

*厚生労働省のページは結構な量なので暇な人は見てみてください。

厚生労働省▶︎▶︎人材育成の現状と課題

で、OJT研修が機能していない理由ですが、TOP3は以下の通りです。

  1. 業務が多忙で、育成の時間的余裕がない。
  2. 上長等の育成能力や指導意識が不足している。
  3. 人材育成が計画的・体系的に行われていない

こんなのを見せられると、「やっぱり、ブラックじゃあねえか!」と言いたくなりますよね。

とはいえ、保育園だけでなく、こういう企業はたくさんあるということで、ある程度は諦め…というか覚悟しとかないといけないですね。

保育園でOJTが機能しない理由を掘り下げる

先ほどの、OJTが機能しない理由のTOP3ですが、普通に考えたらヤバイですよね。

百歩譲って1の”業務が多忙で、育成の時間的余裕がない”は分からなくもないですが、2とか3はヤバイです。

2はどういうことかと言うと「先輩や園長・主任がダメ」ってことですし、3は「研修システムがテキトー」ってことです。

そりゃあ、OJT研修はクソになりますし、そんなクソOJTをやっているとブラックだと言われるでしょう。

保育士不足の保育園は何でも負のスパイラルになる

保育士不足の保育園は、忙しすぎて研修する暇はずっと無いですし、優秀な人から辞めますし、OJT研修の質が上がることはありません。

そして、まともな研修を受けたことがない保育士が、後輩にまともな研修をしようにも、方法が分かりません。もちろん研修する時間的余裕もない訳ですし。

そんな保育園は、保育士不足も終わりませんし、クソ研修も変わりません。

良い保育園は良いスパイラルに入ってますので、ただ嘆いたり喧嘩したり愚痴るよりもブラック保育園からさっさと逃げる&入らずに、良い保育園を見つけることに専念するべきです。

ブラック気質の保育園かどうか見極められるかも

さて、実際に、多くの企業が自社のOJT研修がショボいと自覚していることが調査で分かってる訳ですよね。

OJT研修しかないとか、OJT研修がクソだとしても、それを素直に認めてどうにかしようと考えている保育園や企業は、まだマシな訳です。

ただ、「安心の研修システム!」とか「入社したらしっかりサポート!」みたいなことを謳って保育士を集めて、実態は放置に近いOJT研修だったなんてことがあれば、ブラックですよね。

なので、面接の前や面接の時に、求人票との差を聞き出すのが、ブラックの見極めになるでしょう。

自分で聞くのが不安なり自信がない場合は、転職エージェントに確認してもらいましょう。

真のブラック保育園はOJT研修すら無い

そもそも、昨日していなくてもOJT研修をやろうとする意思があるなら、結構マトモな訳でして、本当にブラックだったら「自分で調べてやれや」くらいな勢いで仕事を振ってきます。

帰り際に資料をドサっと渡されて、「これで勉強しとけ」とかね。

自主OFF-JTにもならず、自分で業務時間外に勉強しろという恐ろしい発想です。

もちろん、自主的に勉強してスキルアップしていく人は、長期的に見れば出世や昇給しやすいですし、保育士以外の選択肢も増えてくる訳で、業務時間外に勉強しない人は転職を繰り返して、大きな昇給はしないまま人生を浪費します。

ブラックに入ってしまうと、全ての時間と気力を奪われてしまい、転職も勉強もできません。

ブラックに当たったり、自分の将来にプラスにならないような保育園はさっさと退職しましょう。

おわり:理想を保育園に求めすぎるのはやめよう

保育園だけでなく、一般企業もOJT研修が機能していないので、入社時の研修を期待しすぎると、ブラック企業でもないのに「ブラックだ!」と間違えてしまうかも知れません。

確かにOFF-JT研修からOJT研修へ移行しさらに定期的にスキルアップ研修に行ける保育園があれば最高ですが、この研修の部分に期待しすぎるのは止めた方が無難です。

不本意ではあるかも知れませんが、研修の充実よりもワークライフバランスを選び、時間を作って自分で興味のあることを勉強していくのが良いでしょう。

また、ブラック保育園でもないのに「知識の吸収やスキルアップなんてしたくない」と言う保育士は、残念ながら給料は上がることなく、年を取って若い主任や園長に邪魔者扱いされる、「保育士不足なのにお荷物」という最悪の末路になります。

保育指針を完全にマスターしてみたり、書類の効率化のためにPCスキルを磨いてみたり、保護者対応のために心理学を学んだり、リトミックやソルフェージュを学んでみたり…

保育に使えるスキルは山のようにあります。それに、勉強は始めると意外と楽しいですよ。

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