保育園の行事は大変ですが、やり甲斐がありますよね。
本番で大成功した時の達成感は、まさにプライスレスな感動を味わえます。
が!
保育に支障が出るほど行事に気合を入れている保育園に勤めるのは、考えものです。
その行事、本当に必要でしょうか?
今回は、保育園の経営・人事を10年間勤めた経験から、行事についてお話します。もしかすると、貴女は必要以上に行事に苦しめられているかも知れません。
保育園の行事
入園式、進級式・遠足・七夕・お泊り保育・夏祭り・敬老・運動会・ハロウィン・芋ほり・餅つき大会・お遊戯会・クリスマス会・正月・節分・ひな祭り・卒園式…
多いですね。月1回以上ありますね。もっと多いところもあるでしょう。
個人的には、運動会をはじめ、いらない行事だらけです。
しかし、保育園に行事は必要です。
保育指針を見ても、まず「保育園内外の行事などに喜んで参加する」とハッキリ書いてあります。
他にも、「自然に触れて~」とか「季節により自然や人間の生活が~」とか「いろいろな体験を通じて~」とか「演じて楽しんだり~」とか「高齢者を始め~」とか書いてあります。
保育指針に従わないなら、保育ではありませんからね。保育指針を無視した独創的な保育的サービスは、保育ではありませんよね。
保育と呼べない保育的なことは、少なくとも、保育の専門家である国家資格を持つ保育士がやることではないです。
ですが、保育指針に書いてあることを、安易に「行事!行事!」と行事で済ませるのは大問題です。
その保育園は、ちゃんと保育指針読んでますよね?
保育園の行事で本当に重要なこと
色々な体験をさせるために、行事はすごく重要です。
保育指針にある「保育園内外の行事などに喜んで参加する」と書いてあるわけですから。
しかし、ちょっと待ってください。
よく見るまでもないですが「保育園内外の行事などに喜んで参加する」。「喜んで」とワザワザ書いてありますよ。
意味わかりますよね。
「その行事、子どもは喜んで参加してますか?」ということです。ここが一番重要なんです。
いらない行事がある理由
保育園で、この行事必要か?という、この4つに分類されます。
- 保育園の自己満足
- 保育士の自己満足
- 保護者の深く考えていない要望に応えてる
- 前からやってたらしいから
結構重要なので、一つ一つ見ていきます。
保育園の自己満足
「ウチの保育園に通えば、これだけ凄い成長があるんだぞ~」とか「これだけ頑張って凄い行事やってるんだぞ~」みたいなことです。
保護者に見せつけたい、という気持ちが大きいでしょうね。「◯◯保育園すごぉい」と言われたいんでしょうか。
そんな行事に子どもが喜んで参加しますかね?
保育指針の無視どころではなく、全く子どもの利益を考えていません。
子供の最善の利益を考えることは、保育士だけでなく全ての大人の務めです。
終いには、保育士の激務の原因になってたりもします。
誰の役にも立っていません。
保育士の自己満足
「私のクラスの子ども達は、ここまで出来るようになりましたよ!」と保護者や他の保育士に見せつけたいとか、「子どもをここまで統率できた!」と自分の能力に酔いしれたいのかも知れません。
もちろん、保育士失格ですね。
そこは幼稚園ではありませんし、こういう人って平気で保育を無視して1日を練習漬けにするんですよ。
保育士が、人に褒められたいとか、達成感に浸りたいだけの自己満足のは分かりますが、子どもが喜んで参加しますか?
保育士の練習が厳しすぎて「運動会とか無ければいいのに…」と思っているんじゃないですか?
こういう保育士にはならないようにして下さい。というか、こういう人は保育士とは呼べないんですけどね。
保護者の考えてない要望に応える
色んな人がいるのは分かっていますが、熱心だったりクレーマー気質の人はこんな感じです。
- 他の保育園でやっているのに、自分の保育園でやってなかったら文句言ってきます。
- 良いこと思いついたら何か提案してきます。
- 行事をやっても、何か修正案を出してきたり、文句言ってきます。
貴女の保育園が、しっかりとした保育計画に基づいてやっている行事なら、失敗したところを反省して、ブラッシュアップすればOKです。
それに、他の保育園でやっているとか、知ったことではありません。保育計画上、必要ないと判断した行事なんですから。
そして、専門家でもない保護者が、極々僅かな子育て経験を元に良いこと提案してきても、ハッキリ言って大した案ではありません。せいぜい「やってもいいけど…」レベルです。
保護者は、一つ行事を行うことで、保育にどれだけ影響するのか分かっていません。「保育士さん大変ですよね」とか言ってくれる保護者も、言ってるだけで分かってません。
保護者は、行事で子どもの晴れ姿を見れば、大はしゃぎしてますよ。心の中で「保育士の負担になる行事なんか止めろ!」なんて思ってくれてません。
私も昔「色んな姿を見たいから、そこそこ大きい行事を毎月入れろ」という要望があって、しかも、しつこかったので「保育園は、保護者のご機嫌取り施設ではありません。」とハッキリ言いました。
保護者の要望は、子どものためではなく、保護者の自己満足だったりします。
前からやってたから
保育計画は毎年作りますので、毎年行事が変わっても、なんら問題ありません。
恒例行事として、特に何の目的でやっているかも分からずやっているなら、そんな行事はいりません。
こんなことで、子どもや保育士を消耗させて何の意味があるんでしょうか。
私は、運動会ですら、保育の目的がないなら必要ないと思っています。ハロウィンはやらない保育園も多いですけど、運動会よりハロウィンの方が喜んで参加するでしょう。
最悪の場合、「昔、保育士が余っていたから、暇でやってみた。」という理由だけで始まった行事の可能性もあります。
明確な理由があり、子どもが喜んで参加する行事以外はいりません。
自己満足行事にうんざりしたら
行事が少ない保育園に転職するというは大いにアリです。
もしくは、大きい行事が物理的に無理な、保育園ですね。保育園が狭いとか、定員が少数とか。
これまで話した通り、行事が無駄に多い保育園は、何も考えてない可能性が結構あるんですよ。
自己満足行事で消耗してしまったら、転職を検討してみましょう。
行事が少ないからといって、保護者からクレームが来まくるということもありません。ちゃんと理由があってやってないんですから、説明すれば分かってくれます。
基本的には、小規模保育事業がオススメになりますが、病院系も一度やってみても良いと思います。
病院系については、病院で働く保育士|病院内保育士・医療保育士・病棟保育士の違いや仕事内容は?で書いてますので、興味があれば読んでみて下さい。
おわり
本当に必要か?こういうことを考えられない人って、園長レベルでも多いです。
自己満足行事だけはやらないようにしましょうね。
大事なのは、子どもが喜んで参加する行事ですよ。
それでは良い転職を!