病弱な人でも、体が強いと思っていた人でも、長期間に渡る重い病気にかかるとは予想していませんよね。
労働する契約を結んでいる訳ですから、重い病気になって働けなくなってしまったら、辞めるしかありません。
しかし、多くの保育園では「休職」という制度があり、すぐに辞めなくても良い場合があります。
今回は、休職についてご説明します。
保育園の休職制度とは?
休職とは、保育士さんの都合で会社を一定期間休むことです。
病気やケガで休まざるを得ない時は、退職ではなく休職を検討することができます。
保育園に休職制度を設ける義務はありませんが、多くの保育園が導入しています。休職制度の有無や期間については、保育園で就業規則を見て確認しましょう。
これは傷病休職と言って「業務外の傷病(会社の業務と関係ない病気やケガ)で休む」というような言い方になります。
この業務外の傷病は、保育園でのいじめやパワハラなどが原因でうつ病になっても、これに該当します。
いじめやパワハラは業務ではないからです。
休業との違いは?
休職は保育士さんの都合で休むこと、休業は保育園の都合で休みになることです。
台風で休園とかそういう場合です。
これはわざわざ覚える必要もないんですが、余裕があれば覚えておきましょう。
保育士が休職する方法
保育園に休職制度があったら、正当な理由があれば休職を許可されるハズです。
その正当な理由を証明する方法は、病気やケガの場合、「医師によって、◯ヶ月の休養が必要と書かれた診断書」です。
診断書があれば、園長に相談して休職期間を決めます。
園によっては嘱託医の診断を求められる可能性もあります。
ただ、最初の取っ掛かりとして、自分が選んだ病院で先に診断書を手に入れておきましょう。
他の医師の診断書があれば、嘱託医もその診断書を無視できません。
休職中の保育士の給料・収入は?
労働契約法に「ノーワーク・ノーペイの原則」という考え方がありまして、働かないなら給料も貰えません。
遅刻や欠勤、自然災害、病気やケガでも、このノーワーク・ノーペイの原則は変わりません。
よって、給料や賞与は出ません。
しかし、日頃払っている健康保険に傷病手当がありますので、収入は減るものの、無収入になる訳ではありません。
傷病手当とは、ケガや病気で会社を休んだときに健康保険からお金を貰える制度です。
注意点~賞与と社会保険~
賞与は「これまで頑張ってくれてありがとう」とか「これからも頑張って」というイメージを持っていると思いますが、賞与は会社が支払うかどうかを結構自由に決められるので、賞与の支給日に休職してると貰えないことも多いです。
また、休職していても保育園に在籍している場合、社会保険に入ったままであり、また、社会保険は休職中だけ抜けるということも出来ません。
よって休職中は、普段は給料から引かれている社会保険を、別途払わなければなりません。
社会保険は給料があるから払うのではなく、保険に入っているから払うからです。
保育士の休職期間は?
休職制度の有無すら保育園の自由ですので、休職期間も自由です。
入社してからの年数に応じて決められているところもあれば、一律で決められていることもあります。
よって、休職の有無を確認する際に、必ず期間も確認しましょう。
私の知っている保育園では、最長3ヶ月か最長6ヶ月で休職期間を決めているところが多かったですね。
また、結構難しい書き方をしている事が多いので、注意しましょう。
例えば、「欠勤が1ヶ月続いた場合、休職とする」&「休職期間は3ヶ月とする」という書き方の場合、欠勤期間と合わせると4ヶ月休めることになります。
規定の休職期間を過ぎたら?
例えば、貴女の保育園の休職期間が最長3ヶ月だったとします。
しかし、うつ病などの重い病気の場合、3ヶ月で治らない可能性がありますよね。そうすると、働けないけど3ヶ月経ってしまいます。
こうなるとけっこう大変で、延長できる場合とできない場合があるんです。
- 延長できる場合:診断書の再提出などで再度期間を設定
- 延長できない場合:自然退職
自然退職というのは、会社都合でも自己都合でもない退職と言われています。
保育士の休職に対する考え方
休職という制度があるなら、しっかり休んで回復して復帰することに専念して下さい。
保育士さんは体が資本ですし、とにかく自身の健康を大事にしましょう。
また、休職期間中にお金の心配があると、充分に休めません。とにかく、傷病手当などはしっかりと申請して、気持ちも休めるようにしましょう。
そして、今後もこの保育園で続けられるかとか、自分と向き合う機会にしましょう。
おわり
休職制度は保育園によって様々ですので、体調が悪いのに大変だとは思いますが、せっかくの制度ですのでしっかりと利用しましょう。
それでは今回のまとめです。
- 就業規則で、休職制度の有無を確認しよう
- 就業規則で、休職制度の期間を確認しよう
- 就業規則で、延長の可否を確認しよう
- 自分で医師の診断書を取ろう
- 傷病手当も合わせて利用しよう
無理しすぎると、取り返しのつかないほど病気が悪化してしまうこともあります。休めるときにしっかり休んでおきましょう。
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