ブラック保育園に勤めながらも、「子どものために、もう少し頑張ろう」なんて思ってませんか?
私は、保育園の人事・経営・コンサルの仕事をしてきました。もちろん保育士でもあります。
儲かる保育園、潰れる保育園、優良な保育園などなど、保育園の裏側を見てきて、感じたことがあります。
今回、一番言いたいことは「ブラック保育園を、”子どものために”辞めませんか?」ということです。
これまで、「ブラック保育園?辞めろ」とだけ言ってきました。そして、今から書くことは理想論ですが、この気持ちを保育士さん達が持ってくれると、保育業界が少しは変わると思うんです。
変われるブラック保育園と変われないブラック保育園
私は、ブラック保育園を優良保育園に変える手伝いをした経験があります。
私が凄いのではなくて、経営者の理解や私を理解してくれる人が沢山現れたのもあります。
しかし、変えることができなかった保育園もあります。(内情をヒアリングした上で依頼を断っただけですが。)
変われなかった保育園
- 「上場を目指す!」とか保育と関係ないことを言って急拡大している会社
- 経営層が保育園で稼いだお金で別の事業に手を出す会社
多数の保育園を持っている会社が悪と言っている訳ではありませんし、株式会社がダメと言っている訳ではありません。
オープン間もなくて、まだいまいち上手くいっていない保育園に文句を言っている訳でもありません。
保育園を経営して目指す先が、保育と関係ないという会社が問題なんですね。
こういう保育園は、”保育士を、会社の拡大や経営層の私腹を肥やすための道具”だと本当に思ってます。
この変われなかった保育園は、結果的に他社に買収され、そして転売され、訳のわからない末路になりました。
変われた保育園は、保育士や保育に対する想いがちゃんとありました。
ここでのブラック保育園の定義
本来は法違反があればアウトなんですが、現状で「法違反が一つでもあればブラック!」と言うのは酷だと思う気持ちもあります。
法律を作っている国が、保育士不足を引き起こしちゃっている訳ですし、保育園へ渡す補助金も国や自治体が決めていて保育士を余るほど雇うことができません。
もちろん、この中で上手くやってる保育園もたくさんある訳ですが、一時的に法違反的なことが起こってしまう可能性は、どんな保育園にもあります。
そこで、今回の記事の中でのブラック保育園の定義は、以下の感じにしましょう。
保育士を道具として扱い、儲けるためだけに保育事業を行なっている保育園
ぶっちゃけ、儲かりそうだからっていう理由で保育園を開業したがる人って、めちゃくちゃ多いんですよ。
私は保育園の開業のアドバイスを求められることが非常に多くて、毎週毎週回答していますが、残念ながら補助金目当ての人が多いのが現状です。
企業は、儲けないと存在価値がないのは確かですが、儲けだけを考えている企業も存在価値はありません。
保育士が”子どものために辞める”という考え方
保育園の理念や環境、保育士の心身の健康、保護者の協力体制が揃って良い保育ができます。
保護者教育については今回は記事の趣旨と直接関係ないので、別の記事に書きます。
ブラック保育園は、確実に保育士不足ですし、保育補助も少ないし、保育環境にお金をかけてくれません。
保育理念もよく見ると”良い感じの保育します”って書いてるだけか、かっこいいことだけ書いて実施してないかです。
この環境下で保育士が「子どものためにもう少し…」と体に鞭打って働いてても、保育士が潰れて潜在保育士が増えるだけなんですよね。
こんな最悪の環境で、ボロボロの保育士が頑張っても、子どもに良いことはないんです。
だから、一時的に子どもや保護者に迷惑をかけてでも、保育士が辞めた方が最終的には子どもの為になるはずです。
子どもに良い環境じゃないのに保護者の前では良い保育園のフリするのって詐欺みたいなもんですし、ボロボロの保育士が集まって人間関係が良い訳がないのです。
子どもは当然だけど、保育士にも”幸せになる権利”がある
あなたの人生はあなたしか決めることができません。
あなたを不幸にするのは、あなたの選択の結果です。
あなたは自分が幸せになる選択を放棄して、今を生きているのです。
言い方は悪いかも知れませんし、あなたが頑張っていることを承知の上で、以下のことを認めて欲しいと思います。
- ブラック保育園を選んでしまったのは、あなた。
- 最悪の環境で子どもを保育しているのは、あなた。
- ”より良い環境で保育しないこと”を選んでいるのも、あなた。
あなたが選択した結果が、あなたを不幸にし、そして子どもを間接的に不幸にしているかも知れません。
いくら子どもが相手でも、他人のために自分を犠牲にしてはいけません。
災害の時に子どもを身を呈して守るのは当然でも、ブラック保育園を助けるために身を滅ぼす必要はありません。
あなたが健やかであって初めて、子どもに良い保育ができます。
あなたが幸せであることが、子どもの幸せなんです。
あなたが幸せになる勇気を持って、これからを選択することが、何より大事なのです。
さいごに|ブラック保育園をやっちゃいませんか。
保育士がブラック保育園をどんどん去ることで、ブラック保育園は人手不足の限界を超えて、”人手不足閉園”になります。
閉園すれば、保護者や子どもには一時的に迷惑がかかってしまいます。
しかし、だからと言ってブラック保育園を助ける理由にはならないのです。
ブラック保育園が閉園していけば、優良な保育園が残ります。
保育士だけでなく、大人は、子どもの最善の利益を考えなければなりません。
今のあなたの選択は、子どもの最善の利益になるのでしょうか?