「ええい!退職だ!もうこんな保育園知らん!」
と、終盤に無断欠勤したり、ブラックでもないのに「ブラックだ!」とか言って労基署などに訴えてみたり、色々ヤンチャしちゃって辞めようとしてませんか?
「辞めたら関係ないし~」とか思っているなら、ちょっと待ちましょう。
今回は、保育園の人事・経営を10年経験し、転職エージェントでもあるの私が、在職証明の取り方だけでなく、保育園をいい加減に退職すると、その保育園から在職証明を取り寄せる際に仕返しされるお話をさせていただきます。
保育士の在職証明(勤務証明)って?
認可保育園に転職した経験のある人ならご存知でしょうが、認可保育園に転職すると、前の保育園での在職証明を求められます。勤務証明とも言います。
いままで働いていたことを証明する書類で、貴女の保育経験を算出する根拠になる書類です。
これは、転職先の保育園が、前働いていた保育園に請求する場合もありますが、保育士が自分で請求しないといけない場合もあります。
これまで働いた保育園の数だけ必要になります。
保育士の在職証明の必要性
認可保育園が在職証明を必要とするのは、働いている保育士の平均経験年数によって、保育園の運営費(国や区からの補助金)が変わるからです。
当然、平均経験年数が多いほうが補助金を多く貰えます。(保育園がね)
あとは、園長になる際には、○年以上の保育経験があることを役所に証明しなければなりませんので、その場合も必要になります。
保育士不足なので経験者だろうが未経験だろうが、採用・不採用に影響は少ないですが、保育園側からすると補助金の関係で経験があるに越したことはありません。
保育士としての経験があれば即戦力で助かりますし、補助金もアップする訳ですからね。
もちろん、補助金が貰える・アップするということは、ちゃんと行政(国とか区)に証明しなければいけません。
履歴書に書いただけの”自称”の経験年数では証明にならないのです。
保育士が在職証明を請求する方法
転職した保育園が在職証明を取ってくれる場合は何もしなくて良いです。
もし新しく入社する保育園から、「在職証明を貰ってきて」と言われたら、自分でもらわなければなりません。
在職証明の請求は簡単です。
在職証明が欲しいという内容の手紙と、返信用封筒入れて送ればOKです。
在職証明書の様式は相手の保育園が持っています。
ただ、一応、新しい保育園に「在職証明の様式があるならください」と言って、返信用封筒とまとめて送るのがベストです。
たまに訳のわからない様式で、何だかわからない在職証明が帰ってきたりするんです。
そういう場合、「これじゃ分からないからここを書き直して送って」とか言って、何度もやりとりしなければなりません。
また、返信用封筒は自宅にしておくのがオススメです。
そして、在職証明はコピーを取っておくことをお勧めします。
保育園も潰れることがありますので、もし潰れるとあなたの経験年数を証明できなくなることもあります。
在職証明の恐怖:保育園からの仕返し
さて、冒頭で書いたとおり、変な辞め方をした保育士さんは、辞めた保育園から在職証明のやり取りの際に恐ろしい仕返しをされることがあります。
罠が4つ程潜んでおり、変な辞め方をした保育士さんは、これらの罠に引っかかるかも知れません。
罠1:雑談の罠
保育園同士で請求する場合、何か書類に不備があったり、書類の到着が遅かったりすると、確認のために保育園同士が電話で話すことがあります。
その際に…
「いや~、この人、訳わからない辞め方したので退職日がよく分からないんですよね」
「何でこの人を採用したんですか?というのも…」
「在職証明の発行は義務ではないので、この人は失礼な辞め方をしたのでお断りしたい」
こんな感じで、変な辞め方をしたことを暴露されてしまう可能性があるのです。
新天地で頑張ろうと思った矢先に、評価が最悪からスタートということも有り得ます。
罠2:書面上の罠
在職証明の様式は自由ですので、保育園によっては、無駄に「備考欄」を付けていることもあります。
この備考欄に変な辞め方をしたことを書かれる可能性もあります。
もし、在職証明そのものに何も書かれていなくても、おまけで変な辞め方をしたと教える手紙が添えられる場合もあります。
罠3:履歴書の嘘がバレる
まず履歴書に嘘を書くなんて絶対辞めて下さいね。経歴詐称です。
経験年数によって給料に差が出る場合で、経歴を偽って経験手当的なものを貰ってしまうと、違法です。
逆に言えば、履歴書に経験年数が少なくなるような嘘を書いたり、手当をだまし取らないなら違法ってことはないです。
しかし、これが意外と居るんです。経験手当を上乗せするつもりは無くても、嘘書いてたり、単にテキトーに書いている人。
結局、在職証明でバレるんですから、ちゃんと書いて下さい。
嘘がバレた時は、保育士の方が詐欺的行為を働いたことになりますので、どんな制裁がくるか分かりません。
ここまで発展した人は見たことありませんが、国家資格って、犯罪を犯すと無くなりますよ。
罠4:面倒臭くて嫌われる
保育園が在職証明を取り寄せてくれる場合で、これまで転職回数が多すぎて在職証明を何通も取り寄せないといけない場合、単に保育園の人事担当の人がとても大変です。
「そんなことは面接の時から分かっているハズ!」と言っても、実際にこの作業をすると非常に面倒です。
テンプレはありますが挨拶の文書作って、返信用封筒入れて、内容確認して、相手側の保育園がミスしてたら再度やりとりして…
分かっていたことでも、実際にやってみると大変すぎて「こいつ何回転職してんだよ!めんどくせえ!」と思ってしまいます。
私も、人事を担当していた時は、この作業は嫌でした。
法的には発行義務の義務のない書類なので、相手の保育園もいい加減に対応してくることもありましたし、転職しまくった保育士が入社した時、10通も発送しないといけないとか、とても面倒でした。
流石に、保育園だけで10回も転職してる人は極めて稀ですが、とにかく転職回数は少ない方がいいです。
変な辞め方をする人は、変な辞め方を繰り返してしまう…つまり癖になってしまうことも多いので、変な辞め方はしない方がいいです。
まとめ
「退職するから知ったこっちゃね~!」と、その時の一時の感情で、メチャクチャな辞め方をすると、保育園からこういう地味な仕返しをされる可能性があります。
また、履歴書に嘘を書いて、在職証明でバレてトラブルみたいな、自滅行為は辞めましょうね。
保育園は、保育園という謎の生命体ではなく、人が動かしています。ワザワザ恨まれるようなことをすると痛い目みちゃうかも…。